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感想&パスタ

思いつくまま感想を書いて、パスタを食べる日々

お気に入りの小説「冬物語」(The Winter Player)

小説

わたしの好きな言葉は「ストイック」です。

 

社会に出て苦労しているうちに、

苦労している人・努力している人・手抜きをしない人を美しいと感じるようになりました。

 

さて、「冬物語」の主人公は海岸の村にある祭殿を守る巫女です。

 

「彼女は暖かく群れ集う事も、子もなす事も無い。

彼女は羊ではなく、羊飼いなのだ」

 

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こんなに若いのに、

代々の巫女の権威と知識を担って、

祭殿と村を守っていく。。

 

この辺りから、ガビーンと響いてきます。

 

 

異郷の地からやってきた男と対決する主人公。

男を追跡するため、祭殿での平穏な生活を後にして、

彼女自身にとって未踏の世界である、背後の山に踏み入る決意をします。

 

主人公は追跡の旅の出立の準備を整えながら、

祭壇のお勤めを村の女たちに託し、

織っていた布の端糸を止めます。

 

果たして、自分がその立場にあった時に、

同じ判断をできないかも知れません。

追うと決断した後も、今までの作業の手も止めない主人公の

ストイックさも心に響きます。

 

 

ファンタジー小説作家タニス・リーはお気に入り作家ですが、

その中でも「冬物語」は一番好きです。

 

この「冬物語」が収められた文庫本には、

「アヴィリスの妖杯」も収められています。

 

こちらの主人公は、

戦場で死んでいった若い部下と約束を果たそうと、

とことん追い詰められながら、

最後の最期まで努力する。

彼の行動はストイックそのもの、美しいです。

 

 

宇宙に旅立つなら「信ぜざる者コブナント」の全6冊シリーズを持って行きますが、

出張に1ヶ月行くならこの文庫本一冊です。

 

冬物語 (ハヤカワ文庫 FT 43)

 

ここまで、書きながら。。

作者タニス・リーさんは去年なくなっていました。

タニス・リー - Wikipediaによると、

彼女の著書の翻訳は殆ど絶版になっているとか。。

 

これだけの名書の訳本が消えていくとは、

やはり、グローバルレベルの英語はマスターすべきですね。。